読み物としては「ウォール街のランダム・ウォーカー」のほうが面白かった。
✔結論
上記、「ウォール街のランダム・ウォーカー」と同じく、「短期的な売買をやめて、(米国の)インデックスファンドに長期投資しよう」という本です。
✔概要
投資とは「敗者のゲーム」である。なぜなら、そこでは勝者の英断によってではなく、敗者がミスすることによって勝敗が決着するからだ。(詳しくは後述)このため、投資における大原則は「まず自分の長期的な投資目標を立て」て「いかなる相場においてもそれに固執すること」である。なぜなら、インデックスファンドに投資している限り、長期的には市場平均を上回るリターンを得ることができるからだ。
✔感想
上記、「ウォール街のランダム・ウォーカー」と同じく、「短期的な売買をやめて、インデックスファンドに長期投資しよう」という本です。これは彼らの自国である米国の株式市場の値動きを見れば当然と言えるかもしれません。
まずは以下をご覧ください。
(S&P500指数)
(日経225)
このように、米国の株式市場は多少の上下はあれど、右肩上がりの成長を実現しています。だから、このような「米国のインデックスファンドに投資(=米国株式市場に分散投資)しておけばええやん」というような本が出てきます。全くの正論ですね。
一方、なぜ日本ではそのようなこと(日経平均のインデックスファンドに投資しとけばええやん)というような声が聞こえてこないかというと、やはりバブルの爪痕でしょうね。
上記のグラフを見てわかる通り、日経が右肩上がりになるのはここ数年の出来事です。実は、日本の株価というのはかの有名なバブル崩壊から始まり、ITバブル崩壊やリーマンショックなど、憂き目の連続で、そのため日本には個人投資家が米国と比べ少ない上、株式投資に過剰な恐怖心を持っているのだとか。
上図のグラフは何よりそのことを雄弁に語っていますね。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」でもそうだったのですが、この2作は「投資においてテクニカル戦略なんて無駄(笑)」とぶった切ってますね。
今のところ、私はこの主張は正しいと思っています。なぜなら、今年の初めに「日経平均は2月に3万円台に乗る」というような主張をしている方を見ていなかったからです。(いたのかもしれませんが)
✔より詳しい概要
投資とは「敗者のゲーム」である。なぜなら、そこでは勝者の英断によってではなく、敗者がミスすることによって勝敗が決着するからだ。例えば、テニスで考えてみよう。プロテニスは「勝者のゲーム」でアマチュアのテニスは「敗者のゲーム」だ。プロのテニスは華麗なウイニングショットやスマッシュ、つまり「勝者の技」でゲームが決まる。これに対してアマチュアのテニスはほとんどがミス、つまり「敗者のミス」によりゲーム結果が決まる。
これは株式投資に対しても同じことが言える。すなわち株式投資は「敗者のミス」により結果が決まるゲームである。
それゆえ、個人投資家がやたらと売買を繰り返すことは避けるべきである。
投資における大原則は「まず自分の長期的な投資目標を立て」て「いかなる相場においてもそれに固執すること」である。なぜなら、インデックスファンドに投資している限り、長期的には市場平均を上回るリターンを得ることができるからだ。
それでは「成功する運用基本方針」はどのように策定したらよいだろうか。
それは以下の5ステップに分かれる。(私はこのポイントがこの本の価値の5割以上を占めると思う)
✔成功する運用基本方針策定のポイント
≪第1段階≫
自分自身の長期運用目的の確認、その達成のために望ましい資産配分比率の策定(株式・債権……etc)
≪第2段階≫
株式ポートフォリオの決定(成長株VS割安株、大型株VS小型株、国内株VS米国....etc)
≪第3段階≫
アクティブVSパッシブ運用(指数の動きに従う運用)の比率の決定
基本的にはパッシブ運用がおすすめ(インデックスファンド引用がおすすめ)
アクティブ運用にかんして詳しくはこちら⇒
https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/funds/japan-equity-funds/active-and-passive/
(↑バブルとコロナ禍大暴落が入っていないのに作為しか感じませんが……)
≪第4段階≫
個別ファンド(銘柄)の決定……残念なことにほとんどの投資家はここに時間を費やす。無駄なのに
≪第5段階≫
アクティブな運用……個別銘柄の選択・売買の実行。
!最小のコストで最大効果を生み出すのは第一段階である。第四、第五段階は最もコストがかかる割にはリターンはほとんどない!