nulbarichのライブに誘われた。
2019年の年末のことである。
初めのライブだったし、暇だったのでいいよー、とか二つ返事で返して、予習するためにnulbarich聞き始めた。洋楽みたいでおしゃれだな、とか思うくらいだった。
うっきうき、埼玉スーパーアリーナの最寄り駅で下車して、人の流れに乗って会場についた瞬間悟った。
あ、俺だけなんかちげぇ。
とにかくみんなおしゃれ。なんというか、表参道にいる感じ。そう、こいつら全員表参道か、北参道か裏原宿からきたろって感じのオシャンティーボーイミーツガール。
対する俺は、バイト終わりでやっすいスーツを着ていた。
せめてネクタイくらいはおしゃれをするべきだった。
待ち合わせていた子と会う。なんか、代官山のマネキンそのまま着てきました? って格好してた。しかもそれが浮いてなかった。
うわああああ、恥ずかしい。でも不幸中の幸い、スーツでよかった。逆に浮かない。気が付いている、俺の私服はダサい。だから、デートにもスーツでいってる。いつもバイト上がりだって嘘ついてさ。今日もそう。
てかみんなスキニーはいてた。男も女も。ほんでみんなに会ってた。ラッドウィンプスとか、天体観測歌ってる人みたいなロングコートが似合っている男しかいなかった。俺は友達に「黒ミシュラン」と呼ばれたコート着てた。
あと俺だけ肩幅広すぎた。たぶん、埼玉スーパーアリーナひろしといえども、あの会場で筋トレしてたの俺だけじゃないの。腕が、みんな女の子みたいな感じ、そんなんじゃあ懸垂できねぇだろうが。
おしゃれさんの中、席に着く。周りは女と女か男と女。なれない空間だ……何もしてないのに緊張する。所詮、nulbarichなんて覚えにくいバンド名のライブなんて、茨城から上京してきたおのぼりさんにはハードルが高かったんだ。
突然暗くなる会場。どこからか鳴り響く音。
きーーーん。きーーーん。きーーーん。
気が付いたら終わってました。
服装とか人種とか、歴史とか戦争とかどうでもいいよね。
最高の夜をありがとうnulbarich
英詞と日本語詞を織り交ぜて歌っていますが、どうしてこのような歌い方をするのでしょうか。
ビートにのりやすい事と表現が直接的にならないことを意識したので、耳当たりの良さを重視したんですよね。言葉で伝えたくない訳ではないんですけど、直接的な表現をすると音楽が崩れる事もあるんじゃないかと思っているので、そこのバランスをとりたいと思ってこのスタイルになりましたね。
※
極上のグルーヴを鳴らすNulbarich(ナルバリッチ)とは何者か? | BELONG Media より
このインタビューにもこたえている通り、耳当たりの良さが鬼。
さっきまで野獣のような長瀬智也に耳を攻められているかと思ったら、いつの間にか吉沢様に優しく愛撫されているような気持ちよさ。
聞くセッ〇〇。絶頂。最高過ぎた。
nulbarichというのは「null(なにもない)」+「but(しかし)」+「rich(豊か)」の略だそうです。
確かにセッ〇〇の後もそんな感じになるよね。何もない時間を過ごしたけど、俺は誰よりも幸福だ見たいな。我ながら気持ち悪くない?殺して。
そんな耳が絶頂ライブの音源が何度でも楽しめる……そうspotifyならね。
今日もいい日になりますよう。