吾輩は20卒である。

20卒のサラリーマンです。日々のこと、読書のこと、創作活動のこと等をつらつらと書きます。みなさんに楽しんでいただけるよな記事を書けるようになりたい。

【20卒】トラウデンさんの炎上について、考えていたら「逃げ恥」を見ていた時のしんどさに繋がった

結論、環境に配慮する前に、組織の一番下の人々にも配慮してくれ、という話。人間あっての環境やで。知らんけど。

 

吾輩は、トラウデンさんの炎上騒動を最近知ったのである。

吾輩みたいな時代に取り残されいる諸君のために簡単に言及していくと、トラウデンさんが環境に関するフォーラムのようなものに参加した際、

「店員に『環境に配慮した商品ですか』と尋ねることで店側の意識も変わっていく」

と発言したからだそうだ。

 

まぁ、賛否両論巻き起こすだろうな。と吾輩はニュースを見た時に思った。賛成側の意見としては、「みんなの意識を変えていくためのいいチャンス」「(店員という組織のボトムにも)環境に対する意識付けをして、そこから世の中を変えていく契機になる」という感じ。

反対派としては、「そんな客面倒くさい」「そこまで店舗のスタッフに権限はない」という意見があった。また「環境チンピラWWW」というような声まであった。

 

店舗ビジネスを営む企業働いている吾輩は、どちらかというと後者の意見だった。つまり、彼女の意見は発言の根っこの部分は素晴らしくても、矛先と伝え方を間違えているのではないか、と感じた。

吾輩の企業もゴリゴリのトップダウンである。現場はただの一兵卒であり、本部の、戦略会議により編み出された、作戦参謀様様どもの素晴らしい御知恵でもって練りだされた策略をただただ実行していく。

 

もちろん、現場の実態に即していない施策もあった。そのたびに吾輩は、どうにかボトムアップで施策を通してくことはできないかと、やめた同期と激論を交わしていたのである。

 

その考えが変わったのは、吾輩が一つの案件を任されてからだった。吾輩は頑張ったから、というよりはむしろ天命、運に恵まれて、新卒なのに施策を実行する立場についた。

役職もないのに。

 

そこでいざ管理者の立場に片足を突っ込んで思うのは、自分が用意した施策をなんの躊躇もせずに実行できる人々の素晴らしさだ。

もちろん、吾輩の実施した施策はすべてにおいて完ぺきなものでは決してなかった。

 

むしろ、メリットデメリット、費用対効果が容易に得られない部類に入ったと思う。

それでも、その施策は長期的な利益を見据えたマイルストーンになりえた。これから2~3年に向かって、花を咲かすであろうビジネスの種になりえた。

けれど、僕はそれを必死に説明する必要もなかった。なぜか。ほとんどの現場の方々は動いてくれたからだ。

 

吾輩の戦略が本部の許可を得たということがあると思うが、その実行力たるや素晴らしかった。

何も考えない兵士は、戦略参謀においてなんとありがたいことか。

 

ゼークトという人の組織論で以下のようなものがある。読者諸君ももしかしたら聞いたことがあるかもしれない。

 

・勤勉で有能な者は参謀にせよ
勝つために努力を惜しまない
・怠け者で有能な者は前線指揮官にせよ
楽をして勝利をつかむ
・怠け者で無能な者は兵にせよ
言われたことしかしないがそれで十分だ
・勤勉で無能な物は処刑か追放せよ
間違えた命令を延々と実行する恐れがある。

 

真理だ。

店舗ビジネスというのは、これはおいおい書きたいと思うが、ある意味で戦争に似ている。そこでは戦術ではなく(競合他社に真正面から向かうよりかは)戦略(いかにして戦いを略すか、他社の取れていない場所、利益をとれるか)が重要になってくる。

 

もし、吾輩が施策を実行するときに、

「これは果たして環境に配慮した施策でしょうか?」

と聞かれたらどうだろう。

 

吾輩は組織の下っ端も下っ端だから、「面倒くさいやつだな」で済む。

けれども、それを言うのが相手が上司だったら?

 

組織人として、そんな愚かな人はいないことを祈る。

 

でも、このトラウデンさんの発言をこうして現実的な組織論から切るのは少ししんどいものがある。

なぜなら、この環境問題に対する発言には、そこに正義があって、それは誰がどう見ても(おそらくは)正しいからだ。

 

それは吾輩が正月に「逃げ恥」を見ていた時のしんどさに繋がる。

吾輩は、「逃げ恥」を見ていた。本編は全く見たことがない。「恋」はカラオケで友人がよく歌っていたから知っている程度。

 

正月スペシャルの「逃げ恥」でこんなシーンがあった。主人公の星野源と、新垣結衣が育休を取ろうとする場面だ。

お偉いさんが「育休取れない会社なんておかしいよねぇ、それは会社として間違っているよねぇ(ニチャアァ)」

と、星野源の上司に向かって正論を垂れていた。

その星野源の上司は「いやね、男が育休一か月なんて取れるわけないでしょWWW 仕事とかどうすんの? それが前例になったら、会社回らないよWWW」的な感じのことを星野源に言っていた。

 

このお偉いさんが「育休が……」という言葉を言い放った時、一緒に見ていた彼女が目を輝かせて「いいこと言う~~」と言った。

 

しんど。

 

その時、率直にそう思った。

そして僕はテレビのある部屋から離れて、食事もそこそこにシャワーを浴びに言った。

 

今ならなぜしんどいのかわかる。

吾輩の会社の価値観は、星野源の上司の価値観だからだ。

「いやね、男が育休一か月なんて取れるわけないでしょWWW 仕事とかどうすんの? それが前例になったら、会社回らないよWWW」というような価値観である。

 

それが間違っている、正しくはないのかもしれない。

 

でも、だから、それで?

 

それが正しくないことはわかっている。あぁ、わかっている。けれど、誰が変えられる?ほかでもない誰が、その一円にもならない大儀名分のために自分のことを、結婚しているなら自分の家族を犠牲にできる?

 

正論を、組織の一番下に向けるのはやめてくれ。しんどいだけだから。

僕らだってわかっているんだよ。君に正義があるのなら、どうか勇気も共に持っていてほしい。組織の、日本の一番上に向かって「環境に配慮していますか?」という勇気と胆力を。

一番下の僕たちは、正義も、善意も、意思もあるんだ。

 

ただ、力だけないよ。