吾輩は芥川賞を全部読む。

20卒のサラリーマンです。日々のこと、読書のこと、創作活動のこと等をつらつらと書きます。みなさんに楽しんでいただけるよな記事を書けるようになりたい。

『本当の戦争の話をしよう』    訳:村上春樹 著:ティム・オブライエン

 

昼寝ばかりの大学生活を送ってきました。

 

吾輩はブタである。

 

高校生の頃に勤勉すぎた反動か、大学生になって(留学時除く)、平均的な起床時間が13時になった。

 

地方の高校生で上京を夢見ている人は楽しみにしてほしい。

 

好きなだけ寝られるよ(^_-)-☆

 

そんなわたしにだって主張すべきことがある。

 

モンキーパークと名高い慶應義塾大学、日吉キャンパスでよく見る若造たちの、机を抱えた午睡(シエスタ)は忌むべきものであると。

 

昼寝はもっと自由で孤独であるべきだ。

 

吾輩は今日も14時に起床したよ。

 

けれどもどうして。

 

昼寝道のカリスマ、仮寝のエトワールも夢の中ではみじめな敗戦国の一兵士だった。

 

覚えている。

 

吾輩は追われていた。

 

もはや、仲間はいなかった。皆、殺されたのだ。

 

吾輩が、見張りの吾輩が寝過ごしたのが原因だった。

 

すごい音に起こされると、みんな死んでいた……

 

かきわけた、くさむら。

 

顎に痛みが走る。目の前の、カモフラージュしていた、カーキ色の軍服の兵士。

 

自分の運命を悟る。

 

ぎゅっと目をつぶり、「神様と……」あまりにも情けない声……

 

目を開けると、そこは見慣れたワンルーム

 

万年床に汗だくの男。

 

外からは、初夏の熱気が入り込み、廃品回収の車のアナウンスが聞こえる。

 

天井の裸電球は、どこかわたしを笑うかのように軽やかに揺れている。

 

 


本当の戦争の話をしよう (文春文庫)

 

本書に収められているものは、一つの戦争に関する連作短編小説だ。そこでの戦争は(戦争というものはすべからくそうであるのだろうが)どれも愚かで凄惨なものである。

 

けれども、作者が声高にそう主張することはない。

 

戦地における愛と憎悪を、高貴と醜悪を、人と人ならざるものを、プライドと傲慢を、思いやりと貪欲を、そして生者と死者をありのままに書き尽くす。

 

それらは、あるいは現実に起こった話ではないのかもしれない。

 

得られる教訓もないのかもしれない。(そしてそれが、戦争というものなのかもしれない)

 

語られているのは、ただ「本当の」戦争についての物語である。

 

読者は闇を切り裂く閃光弾の輝きを、自分が兵士の作る影の昏さを、極限状態で内臓が絞り上げられるような感覚を、自らの体験のように味わう。

 

それらは映像の断片になって、奇妙なかけらとなって夢に現れる。

 

『本当の戦争の話をしよう』は自分が籠る小さな日常の外にどのような世界があり、そこで生きてく、生きてる、そして死んでいくとはどのようなことであるかを教えてくれる。

 

今日もいい日になりますよう。