過去は忘れてください……
吾輩は最終面接だったのである。わざわざ大阪まで行って面接を受けてきた。
ずいぶんと背の高い人事担当者に導かれて、吾輩が部屋に入ると、四人の大人がいた。
その中央に、社長がいたのである。
社長にはまず、吾輩の名前の由来について聞かれたよ。名前の由来を答えたら、社長は関心しておった。お母さんありがとう。
その後は自動運転の話、そのあとに社長のありがたいお話……と続いた。社長のありがたいお話の時間は長かった。ガンジーの職業は何か? と聞かれて答えられなかったなぁ。弁護士だったそうだ。
吾輩は聞いたことには的確に答えようとした。でも、社長のお話の時間は長かった。しゃべっている割合でいうと、吾輩:社長=3:7ぐらいだったと思う。
で、面接が終わって駅についたのが五時くらいだった。
大阪から一時間いったくらいの駅が最寄りの駅で、路線図を見ていると終点が和歌山とあった。
吾輩はここで大阪と和歌山が隣あっていることを知った。絶望的な地理感覚である。
明日は朝からバイトがあるにも関わらず、吾輩は迷わず和歌山行きに乗った。
そうしたら、ものの30分くらいで和歌山についた。和歌山初上陸である。
以前、子供に人気のyoutuberが何かの企画で北海道にいくというのを見たが、その動画のコメント欄に「北海道に来てくれてうれしいです!」と書かれているのをみてびっくりしたことがある。
すごいなぁ。
もはやYoutuberは芸能人、いやそれ以上だ。
もちろん吾輩はYoutuberではないから、誰もなにも歓迎してくれなかった。
ただイルミネーションと和歌山駅があったよ。
和歌山駅の周りにはイルミネーション以外に何もなかった。
スーツ一着だけで来たから、革靴のせいで足が痛いんだ。
明日は熊野古道に観光にいくから、スーツはまだしも、靴を買っていきたいんである。
これから30分あるいて一番ちかい古着屋に行ってこようと思う。
≪以下旅先の写真≫
面接会場から30分くらいでついた。
くら寿司の本社にはいけすがあって、魚のロボット⁉ が泳いでいた。写真に写っている赤いのと銀のがロボット。
実際に見ると不気味。
開発者の狂気を感じる……
なぜ魚型ロボットを作ろうと思ったのか……
安すぎるラブホテル。
この広告みたときこっち泊まっときゃよかったと思った。
もちろん一人だが。